認知的必然のPattern

前回は、マーケティングの本質=王道=認知的必然というお話をしました。

マーケティングを販売活動の全般や商品開発のプロセスやそれに伴うリサーチと定義していると違和感があるかも知れません。勿論、それもマーケティング活動の一環ですが、『ブランドマネージャーはブランドの社長』という言葉があるくらいで、マーケティングは企業活動そのものである事は間違いなく、非常に広い職務領域となりますので、認知的必然の創造以外も、マーケティング活動ということになります。ただ、私が言いたい事はマーケッターは何をするのか?という点に焦点を絞ると、マーケッターは認知的必然を創る事となり、職務領域が広いが故に、自身の成果を確認する為にも、この様な定義の方が良いのではないか?と感じています。

というのは、商品開発は本来、開発者の仕事であり、営業は営業、パッケージ制作はデザイナーで、TV広告は広告代理店が制作していることがほとんどではないでしょうか?その人達の力を結集して、成果を上げる為に、STPCを確定させ、4P戦略を描く事がマーケッターの主業務となる訳で、それが1stStep、しかし、STPCと4P戦略を策定すれば、マーケッターの仕事が完了すると考えている人が多く、本質的には、消費者にとって魅力的なポジショニングやコンセプトの策定がKFSとなり、認知的必然を意識しないと成果が上がり難いと主張していると思って頂ければと思います。

前置きが長くなりましたが、認知的必然の形成には、いくつかのPattrnとチェックポイントがあるのですが、その点について、縷々説明したいと思います。

 

マーケティングの本質②

ひとことでマーケティングと言っても、その職務内容は企業によって、まちまちで、定義し難いのは事実。いわゆる外資系で、商品開発業務がなく、商品をどう売り込むか?というような場合は、いわゆるBrandingなるものが、主たる職務となる。しかしながら、ここもマーケティング偏差値が高い企業になればなるほど、様々な誓約、BrandのRegulationがあり、あれしちゃダメ、これしちゃダメと本社からチャチャが入り、結局のところCopy開発が主業務になるケースが多い。例えばTV広告などは、日本は特別扱いされていてあまりないが、アジア各国のTV広告などは本社作成の本国の広告の吹き替えや編集での繋ぎ合わせというようなケースも多々あるので、消費者Communicationが主業務といいながらも、店頭Communication中心で、定められたポジショニングが如何に魅力的なものであるかを伝えるのが、主業務になっているCASEが多い。

例えば、某英語の頭文字2つの会社では、『赤ちゃんのお肌は大人の3分の1の厚みで繊細』というようなCopy開発が主業務でポジショニング自体はHQが定めたポジショニングの翻訳で、いわゆる機能的なベネフィット=ポジショニングは本社任せが多い。欧州の某食品会社のKIT KA○も、日本語で『きっと勝つ』と言う駄洒落のようなキャンペーンを展開して、受験生の必需品化に成功したと言うようなケースもあるが、あくまで需要喚起的な側面で、消費者の不安や不快・不満を解決したり、まったく新しいベネフィットを提供するというマーケティングの王道を実践する機会に恵まれたマーケッターは少ない。私の記憶にあるところで、20年前くらいの話で恐縮だが。。。。外資系でも全く新しいベネフィットを構築したのはP&Gのファブリーズぐらいではないか?と思う。今はファブリーズもリポジショニングしていて、当時とは違うが、発売当初は、臭いの素は布に潜んでいると定義し、ソファーやカーテン、コートなどに吹きかけることで、臭いを元から断つと言うポジショニングで、空気中に別の匂いを充満させるエアケアの他のBrandとは一線を画し、まさに唯一無二のポジショニングを形成し、華々しくデビューし、成功した。

後年、たまたま、その時のブランドマネージャーだった人の講演を聞いたことがあるのだが、彼がやりたかったことは『認知的必然』を作ること。簡単に言えば、問題の本質を新しく定義して、その定義を知れば、それを解決する商品は自ブランドしかないので、勝手に売れ出し、価格競争も起こらないと言う考え方で、それが認知的必然と定義付けていた。当時、駆け出しのマーケターだった私はひどく共感した事を今でも覚えている。よって、Marketingの王道とは何か?と問われれば、認知的必然を作る事と教えるようにしている。

 

 

 

 

マーケティングの本質?

いきなり、壮大なテーマだけど、平易な言葉で綴っていきたいと思う。

ここではお偉い人の本の引用や日本マーケティング協会の定義などは無視して、私の感じている事をありのままに書く。

その前に少し自己紹介。日本の消費剤メーカーのマーケティング部門に約20年在籍。アジアの某国にて駐在経験を10年。

日本の最高職責は、いわゆるSBU部長?企業によって呼び方は異なるのだろうけど、カテゴリーの責任者を務めました。

現在は、アジア某国の現地法人の社長職を務めています。

よって、日本、アジアは勿論、全世界約100カ国でのマーケティングの責任を追った経験があり、それによって、1つのカテゴリーを通じて、国による違いや、逆に共通性を知ることができ、マーケティングの知見を研鑽して来たと自負している。よって、このプログは、教科書的ではなく、実践的。ただ、消費剤に偏った知見であることはご容赦願いたい。

 

アジアでマーケティング業務をする仲間たちへ

マーケティングって本質的には、日本でも海外でも一緒だと思っているけど、実際、やってみるとなんか違うと感じていたり、デジタルマーケティングって、所詮、コンタクトポイントの進化だろ?っと達観できている人達に向けて以下の事を綴って行きたい。

1、マーケティングの本質って何か?

2、Asiaと日本のマーケティングの違い何か?

3、日々の出来事、あれこれ。